2009年4月21日火曜日

続 大人観察

何だか仕事が慌ただしくなって来ました。
立て続けにスタジオが入りそうで楽しくなりそうです。
未だにスタジオの前日って寝付けないんですよ、ほんと。

さてさて前回の続き。

今の自分に、特に影響を与えてくれる方を紹介した訳だけど、
書いているうちに、ある共通点に気付く。

1.判断基準が相対的
2.切り替えが早い
3.多趣味

以上3つ。
まだまだ細かな部分はあるけど、どれも上記3つで説明出来るな、と。

まず1つ目。
判断基準が相対的とはどういった意味か。
例えば、とある映画を観て評価をする場合。
自分の思い通りなエンディングにならなかったり、お気に入りの役者の配役が気に入らなかった場合、
「つまらない映画」と判断してしまうこと。これは間違った相対的評価と思う。
この場合、音楽も耳に入っていないケースが多い気がします。もったいなーい。

映画やアニメ、ドラマ、ゲーム、CM、勿論音楽も、様々な人が関わって完成するもの。
そこに自分の主観や趣味、思い入れを重ねると見えなくなるモノが多い気がする。
それを持たずに、しっかりと脚本を楽しみ、演技に感嘆し、音楽に酔える人の評価って
何かの発見をさせてくれるます。

逆に自分はビートルズが好き!だからこの業界に入った。
でも最近の流行りの音楽には興味ないし、面白みも感じない。
と、平気で言う人業界にはいる。かなりいる。
結果としてその人のジャッジは簡単な事で揺らぐ。
提示された作品ですら揺らぐ訳だから、制作途中のオーダーは先が見えない。
何をしたら成功で、何をしたら失敗なのか解らない。
結果、安全牌を数点用意して選んで貰う。
コンペとかってそもそもディレクターの怠慢だよなぁと思う。
要するに、何を作ったらいいのか解らないのでアイデア下さいっていう、
才能の借金をしていると思うわけ。
ちょっと辛口でした。コンペ大好きなんだけどね!めちゃくちゃ勉強になるし。

何だっけ、共通点の話でした。

2つ目。
仕事は仕事、休みは休み、趣味は趣味。
良いアイデアは認め、悪い所は何が悪いか指摘する。
結果として色々な反応がとても早くなる。
曲を朝方までかけて書き、データを送って寝ると、物凄く早く返事をくれる。
何が生まれたのか楽しみにしてくれているのだなぁと、感じる。
幸い、その逆の事例ってあまり無いのですけどね。自分の場合。

3つ目。
皆さん、物凄く多趣味・笑。
井野君は、スタジオ終わってその足で釣りに出掛ける程釣りが好き。
菊地さんはSaxを吹く。しかも僕よりも沢山録音機材持ち。
本の読む数、映画の鑑賞数も物凄い。
中西さんはご自宅を自分で設計してしまう程、建築が好き。
インテリアも素敵だし、車のエンジンの部品がどうの、といった話も出来る。
あ、みんなとてもグルメ!これ大事。

結局、世の中に溢れる楽しいモノを真剣に追い掛けていて、
その過程で得たアイデアや経験を今の仕事や作品に活かしているのだね。
色々な所で起こっている面白い事に対して、自分の主観で判断をしない。
だから知名度や経歴、学歴、年齢などが判断材料にならない。
特に音楽なんて、数百年前に完成しているものだし、流行り廃りなんて無い。
古くからある技法も、最近発見された技法も、どちらも流動的に取り入れること。
人間関係も同じです。まだまだ年配の方から教わる事もあれば、
同年代、若い世代から学ぶ事も多い。


以上、色々と思った事を書きました。


こう考えると、日本のスタジオ業界って物凄く閉鎖的だなぁ。
作曲の方法なんて教わった事ないし、情報交換すらした記憶がない。
中西さんの背中は見てましたけどネ!えっへっへ。
作曲技法やMix技法なんて企業秘密に出来るものって無いんじゃない?
そもそも完成した作品聴いたら手のうちバレますって。
それよりも情報共有して、より文化的に充実した環境を作っていく方が
自分への還元も多いと思うのですよ。

そんなこんなで、7月〜8月から都内某所にてワークショップというか、
勉強会というか、飲み会前の遊び(?)をやろうということに。
その為に数点楽曲を書き下ろして、色々と実験と遊びを交えて
各々のレベルアップを計りたいな、と。


まだまだ勉強させて頂きまっせ!
最近楽しんでるなぁ、色々と。良い傾向です。


それではまた!



2009年4月17日金曜日

大人観察

あんたも十分大人でしょ・・・という突っ込みはこの際無視するとして。

僕の尊敬する方の中でも、取分け素晴らしい方々を五十音順に3人。
まだまだ沢山いるけれど、特に、と思う方々をチョイス。


エンジニア井野君

出会ったのが20歳かその辺りなので、かれこれもう13年の付き合い。
今の僕をここまで導いてくれた、最も身近で最も信頼出来る存在です。
興味ある事や、改善余地のある事柄に対して様々な投資を惜しまない姿勢や、
現場でのトラブル回避能力は、未だに関心させられる。
まだまだ彼から学ぶ事は多い。
書き掛けの音源を聴かせて褒められると、未だに嬉しかったりする。
生音もエレクトロもいける、引き出しの多さと探究心は、
日々行われる他愛も無い会話の断片にも感じ取る事が出来る。

何よりも、ある程度引き出しとして確立されているであろうワークフローを過信せず、
より良い作品に仕上げる為模索を続ける姿勢は、音楽を一緒に作る仲間として頼もしい。
僕も負けじと次に聴かせる曲も、お?っと思わせられる様に、
日々感性や技術を磨く糧となっている気がするなぁ。
ある意味、彼の心を動かす曲が書けなくなったら引退なのかなーと・笑。

昔から大人だなぁと思わされる事が多々ありつつも、味覚が子供なのがお茶目。
最近売れっ子過ぎて、中々遊んでくれないんだけどさ。
だからこそ、電話や会った時の会話が充実していて良いのだけど。


SCE/SMP菊地さん

お仕事を最初にご一緒したのは2008年の春だったので、比較的最近の出会いです。
数年前、事務所でマネージャとの打ち合わせ中、突然事務所にいらして初顔合わせ。
その時、たまたま持ち合わせていた自分の音源を手渡したのが縁。
それが現在PlayStation本体に搭載されているPhotoGalleryの元曲となっているという、
なんとも不思議な出会い。
自分が渡した事すら忘れ掛けていた古い音源だったのですが、PhotoGalleryの打合せで
SCE本社に伺ったところ、その音源から数曲が開発用のPS3に入っていたのに驚きました。

書きたい事は山程あるのだけど、それは追々書いていくだろうし。
とにかく、菊地さんの現場は楽しい。
そして、良い作品が次々に生まれる。
一番印象に残っているのは、「作家の第一稿を最も信頼している」という言葉。
とても考えさせられる意見だなぁ、と。

菊地さんの判断基準って、右か左か、マルかバツか、ではなくて、
相対的(?)とでも言うのかな。非常に公平なジャッジをしてくれるんですね。
オーダー通りの作品を書いてきたかどうか(作家として厳守する事は当然だけど)、といった
単純なジャッジではなく、オーダーした側が考えていた音楽よりも、より良いモノが
書かれた場合にはそちらを迷わず選択する決断力と判断力が群を抜いている。

先の言葉を聞いた時、一曲目が駄目だった場合ってどう考えるのですか?という質問に、
「そんなのプロデューサの人選ミスだから僕が責任負うよ」と仰っていた。
中々言える言葉ではないですよ、今の世の中。
大きなプロジェクトとなれば、莫大な予算を抱えつつ人選されているわけで、
そこで駄目な時は自分の責任と言い切れる人は中々いません。
だからこそ、自分の携わる仕事、現場、作品全てに責任と自信をもって取り組もう!
と思うわけですよね。
菊地さんに出会わなければ、この意識改革が自分に芽生えるのは、
随分先の話だったのではないか、と思います。
何にせよ、一つ一つの仕事で成長出来ている実感を感じる現場を与えて下さる事に感謝。


ヴァイオリニスト 中西俊博さん

もう自分の口から説明が不要なお方。世界を代表するスーパーヴァイオリニスト。
演奏、作曲、編曲、人柄、どれを取っても素晴らしい方です。
大学在籍中から、数々の現場でご一緒させて頂いているので、
一緒に制作した楽曲は軽く3桁を超えます。

とにかく練習の鬼で、ここまでの演奏力と表現力を持ちながら、
日々練習方法を考える姿勢は井野君と通じるものがあるなぁ。
ご自宅で、いつも作曲なさる際、傍らでサポートさせて頂くのですが、
ほんとに音楽の神様が降りてくる瞬間を見れるんですよ。
というか、降りっぱなし。
これだけ神様を独り占めしていたら、そりゃ僕のところに降りてくる暇が
ないのも頷けるなーと・笑。
作曲のテクニック盗んでやるぜ、へっへっへ。なーんて裏心丸出しで
現場に入るのですが、全然盗めないんですね、うーん謎。
音楽に対する反応速度が鬼早いのが原因なのでしょうけど。

一つの旋律を書くのに神様~神様~とやって、やっと書ける僕に対して、
数ある旋律からどれを選ぶか悩む中西さん。
根本的に違う気がします。
いつか追いつこうと、日々地面を転がりまくって足掻いているわけですが、
自分が少し成長したと思うと、更に先に行かれている気がするんですね。
一生縮まらない距離なんだろうなーと思うわけですが、
そもそも自分と中西さんを同列に考える事が間違いか。
ファンの皆様、ごめんなさい。
身長だけは負けないぜ。へっへっへ。


とまぁ、意味もなく身の回りにいる尊敬する方について書いた訳だけども、
3人とも共通する点が多い事に気付く。


長くなったので、続きはまた次回。




2009年4月16日木曜日

譜面探し

本日も、以前注文していたスコアが入荷したとの連絡を頂いたので、
楽器店まで取りに行って来ました。
しかしオケのフルスコアとは言え、別の編曲家によりメドレー式になっているものでした。
価格も安いし、幸いにも調べたい箇所がちょこちょこと抜粋されていたので、
そのまま購入決定。
その足で渋谷から代官山を歩き、色々買い物をしつつiPodに入れていた原曲を聴きながら
早速スコアチェック。

やっぱり面白いなぁ。
数百年も前に完成している楽器の扱いを、アレンジと奏法によって現代映画にもそのまま
使えている事に驚きます。

本日購入したスコアは、Harry Gregson-WilliamsThe Chronicles of Narniaです。
今まで1stと2ndVlがユニゾンだとばかり思っていた旋律が、実は交互に別の事をしていて、
結果として1本のラインに聴こえる、というアレンジの妙技を発見したり、
こんな譜面の書き方があるんだなぁ、と感心するばかり。
譜面から得られる情報の多さに改めて驚かされます。
自分の曲をスコアで書く場合にも、実際に奏法や解釈などの記戴で
頭を悩ます事が多々あるので、とても良い資料となりました。
何よりも楽しい!

しかしそれにしても国内だと欲しい楽譜が手に入らない。
楽器屋に問い合わせても出版社の取扱いが無いなど、理由は様々。
最もピアノアレンジが施された楽譜は多々あるのだけど、旋律やコードは聴けば解るし。
あくまでも、作家独自の手法を学びたい訳で、その資料となる媒体が、
事実上サントラ盤として出ているCDか、DVD/Blue-Rayといった映画作品自体のみしか無い。
UCLAとかの図書館では現代の映画音楽のスコア原本が保管されていると聞きますが、
そんな環境で音楽に関われたら楽しいでしょうね。

と、書いていたら、ふと学生時代に国立音楽大学の付属図書館が関連書籍/譜面の扱いが
国内最大と聞いた事を思い出したので、早速webで調べてみる事に。
すぐに目的の情報に辿りつき、見てみると・・・、部外者への利用も認めているとの記述が!
これは利用せねば。

一回利用に500円、年間の利用に5000円の2種類あるようで、
場合によっては年間利用を検討しようかな。
まずはどの程度の規模なのか、自分の必要とする譜面や書籍、その他資料があるのか、
一度足を運んでみるとします。

うーん。。。立川まで行くのが最大の試練な気がする。
ちょっとした遠出を楽しみつつ、素晴らしい楽譜に出会える事に期待しよう。



2009年4月13日月曜日

2と4の狭間

blogを始めてから気付いた事がある。
プロフィールを見たら"33歳"の表記。

確かプロフィール制作していた時、自分の生まれた西暦を記入していた。
・・・誕生日を迎えて一月近く経つと言うのに、34だと思っていた。
冬物コート出したらポケットに千円札が入っていたくらい、嬉しい。

そっか~。
1年勉強してもまだ34か。
そうして考えると精神的にかなり得した気分だ。

しかしながら、自分の馬鹿さ加減に絶望してプラマイゼロ。
むしろマイナスに寄っている。

頑張れ、自分。



メロと主題

先日から書いていたスコアを書き上げ、Logicで打ち込み終えました。
打ち込みが故、音楽としての呼吸や流れを細部までコントロール出来ないのが
もどかしいですが、デモテープとしては満足の行く出来になったと思っています。

さて、ここ最近映画音楽を聴きまくっているのですが、ちょっとした事に気付いたんです。
それは「主旋律」の扱いが国内と国外の音楽において、明確な違いがあるような
気がする、ということ。
どちらも「メロディ」という言葉で共通はしていると思うのだけど、海外だと旋律が「主題」となって、
様々なバリエーションを持ち、声部や曲のバリエーションとして継承されていきます。
文字通り、その作品の「テーマ」となる旋律という扱いですね。
しかしながら国内に目を向けると、「メロ」という、国内の音楽にのみ通用するであろう、
独特なモノになる場合が多い気がします。

この「メロ」という旋律は、「主題」としての顔よりも、
「キャラクター」としての顔を強調する事に趣きが置かれている気がするなぁ、というお話。
言葉で説明するのが難しいけれど、歌メロに近い、個性の強い旋律とでも言うのかな。
勿論作曲家たる者、良い旋律を書く事は当然だけど、例えば映画やドラマで流れる
劇伴では、半数以上はここで言う「メロ」って必要ない気がするんだよなぁ。
以前の仕事で提出した曲、全てに「メロが云々」と言われた事があって、
化け物に追われるシーンでメロって必要かー??とか思ったのですね。
メロ、というより旋律がイメージされているモノと違うんだろうな、と解釈して、
別のフレーズを考えて提示したらOKが出たので、多分そういうことなんだろうと。

部屋に入ったら不気味な感じがする、とか、神秘的な場所を連想させる、とか、
何かに追われる、といった場面に音楽を付ける場合、個人的に音楽に台詞(メロ)は
不要と思っています。場合にもよるけど。
悲しいとか、愛おしいとか、幸せだとか、内面から来る感情的な描写に対しては、
メロ的なアプローチは有効だと思いますけど。

というか、国民性なんでしょうね。こういったキャラクター付けって感性は。
漫画やアニメ、ドラマやゲームといった仕事で携わるコンテンツを見渡してみても、
やたら登場人物に関する説明描写が多い気がする。
この人の性格はこうで、敵は誰で、武器はこれで、必殺技はこれですよ、みたいな。
アメリカの作品って前置きはあるとしても、劇中での説明って殆どない気がする。
全部細部まで作りこんで、それを見せたり効果的に使う事で間接的に説明しているんだね。
間違ってもライトセーバー振り回しながら「なんちゃらウェーブ!」だとか、
コウモリの形した車に乗り込んだ時に「GO!バットモービル!」だとか、
蜘蛛男が手から網を出しても「この網は重さ5tにも耐える強度だ!」だとかは言わない。
このへん、見せ方や世界観の創り方がうまいなぁ。
だからこそ、緊張感や緊迫感のある感じの音を充てるだけで効果が出るんだろうけど。

こうして考えるとオーケストレーションの考えも変わってきた気がします。
まだまだ主題や主旋律に対しての解釈が甘いし、無駄にフレーズや楽器を重ね過ぎている。
足し算で音楽を作るのは(料理や建築、デザイン全般もそうですね)簡単だけど、
引き算でアレンジをしていくのは非常に難しい。
加えて旋律の前後に関連性があり、且つ音楽的な繋がりを持たせようとすると、
途端に高度なパズルになってきます。
しかも答え(?)が無限にあるものだから、悩む訳でして。
楽しいんだけどさ、それ以上に。

昨年から一緒にお仕事させて頂いているディレクターさんは、
この辺りの意見交換が行えるのでとても満足いく仕上がりの作品が多い気がします。
だからこそ、曲書き、研究、勉強を積み重ねて次のステップに進まなくてはいけません。

などと真面目な考察を書いていた時間に、そのディレクターさんはバーベキュー大会だったとか。
くそう!青空の下でお肉食べたいなぁ。。。
でも、お陰様で良い曲に仕上がりましたよ、と言葉を濁しつつ、いつもご馳走になってばかりで
済みません、というお礼(お詫び?)。
次回開催時は是非ともお誘い下さい。
青空の下で譜面に鉛筆を走らせつつ、お肉とビール。
ここで名曲が生まれようものなら、今迄の積み重ねてきたモノが根幹から揺らぎそうで怖い・笑。
結局お酒パワー?みたいな。あ、因みに下戸です。

さて、注文していたとある映画のスコアが入荷したらしいので、取りに行ってきます。
気になっていた曲がどうなっているのか。
耳である程度は追えるけど、スコアからしか追えない情報もあるのです。
文字通り、宝の山なのでとっても楽しみ。


晩御飯はお肉にしよう:)
それではまた。



2009年4月10日金曜日

ペンダコ

ここのとこ一週間ばかり、曲書きの為に鉛筆を握りしめています。
自分でもかなり筆圧が高いなぁ、と思うのですが、案の定右手中指にぽっこり。
固くなった分だけ良いフレーズが書けるようになればいいのだけど・笑。
まだまだ勉強途中なので想い描いた音を完全に再現出来ていないですが、
それでも、自分の中で鳴っている数々の音を一つ、一つ、
真っ白な譜面に落としていくのは楽しいです。

Macを立ち上げてLogicで打ち込んでいけば、鉛筆握るよりも数倍速く書き終える。
考えてみれば15年近く、毎日の様に使用してきたツールであるが故、
ほぼ、この道具を使う事にかけて頭を働かせる事が無いのも当然なのでしょうか。
と言っても全ての機能を使っている訳では無く、今日まで使った事のない機能が
今更必要な機能だとは思えないですけど。

両方の手法で曲を書いてみると、圧倒的に譜面から書いた方が良いのも事実。
なんでだろうなぁ。
やっぱりMacを使う作曲って行き当たりばったりなフレーズが多いのかな。
手書きだと、何度も何度も頭の中で歌っては消し、消しては歌う作業を繰り返します。
こうやって生まれたフレーズは、やっぱり成熟されているってことなのか。
音楽の神様が微笑んでくれると一筆で、って事もありますが、
これが中々の照れ屋さんでしてね、彼女:)


さて、今週中に数点のスコアを書かなければいけません。
既に先週末に書いた曲の手直しと、別解釈のモノを1〜2パターン。
とても幸運な事に、自分がある意味劇伴作家を志す切っ掛けとなった関連作品に
音楽を付けられる、といった大変なお話を頂いたので、朝も夜も譜面を書いています。
具体的な作品名等はまだ明かせませんが、作品に対する想いを綴ったら
本になるんじゃナイノ?と思う程、大好きな作品なのでまたの機会に。
お話を頂いたのが先週金曜日だから、一週間前の自分はまだ知らないんですねー。
何らかの形で皆様へお聴かせ出来る機会が出来るよう、頑張ります。

現時点で、制作者サイドが意図した方向でのアプローチを1点。
ただどちらかと言うと叙情的な色が強い感じに受けるので、
もう少し内面を表しつつ、舞台設定やその世界の歴史を感じ取れるアプローチも
提示してみようかな、と思っています。
既に大まかなフレーズと構成は完成しており、個人的には後者の方が絵にも
ピッタリはまっていると思うので、もう少し整理して説得性を持たせてみようかな、と。

この辺りは、さじ加減が非常に難しいのですが、
次に生み出す曲の主題となるべく、今回は敢えて「オシゴト」と「個人の解釈」を
提示してみようと思います。
制作者の方々はとても作品を丁寧に作る方々なので、作品を通しての意思疎通も大切です。
「トマトソースでパスタ作ってみて」と言われてオーダー通りに作るのは、
お仕事として当然のこと。
でも、春野菜が旬だから菜の花で別のメニューも用意しました、と言うアプローチ。
どちらのお皿も美味しく作らなくては駄目なので大変ですが、楽しいです。
今週半ばで一つの制作が落ち着いたので、今週末はじっくり向き合えます。
今から音楽の神様降ろしをしておかねば!

といっても、神様〜神様〜ってやってる時って、良い曲浮かばないのも不思議。

The Muse visits during composition,not before.
と、映画評論家のRogerEbertが言っていた。

なるほど。
音楽に向かう姿勢が真摯になる程、こちらに微笑んで下さるのですね。
愛い奴。


頂は高く険しい。
近道はせず、一つ一つ音符を紡いでいくとします。



ブログ開始

blogって知ってます?
今年から流行ると思います。
きっと。

そんなこんなで、仕事の合間にちょこちょこ書いていこう。

現実逃避ですって?失礼な!

脳内に溢れまくっている、数々の音楽への想いやアイデアの
知的財産メモですってば。

今後とも宜しくお願いします:)