2009年5月15日金曜日

明日のスタジオ

明日はいよいよ、先月から書いていた劇伴のレコーディングです。
この業界に入って、早10年。
色々な現場に色々な形で携わって来たけれど、
未だにスタジオの前日は興奮して寝付けません。

そこに出入りする人は、皆一つのモノを作る為に仕事を任された
プロの方々。
その方々の力を貸して頂いて曲が完成していきます。
作業プロセスや会話のどこを取っても無駄が無く、
「良いモノを創る」という目的に向かって全員がパフォーマンスを
発揮していく緊張感と、作品が完成した時の達成感が
たまらなく好きだ。

既に明日分の作業は、ほぼ完了していて、
目を閉じると明日には現実になっているであろう光景が、
ハッキリと目に浮かぶ。
明日のスタジオは、きっと大成功だろうな。
その日の為に、何度も譜面とデータを作り直し、
スタッフとのミーティングを重ね、色々な方々の力を借りて
迎える日なのだから、成功しない理由が見当たらない。

いつ頃までだったか、スタジオに入る前日は楽しみである反面、
今回が最後になりませんように、と何かに願っていたのを
ふと思い出した。
考えてみたら、ここ数年、そんな事思わなくなったな。

クライアントの方からOK頂くのは最低限のラインとして、
その先の、本来の目的であるリスナーの方々が喜んで頂けて、
更には自分でも満足のいく作品にするのはとても大変だけど、
どれか一つが欠けてもプロではなく、音楽家ですらもなくなる。

自分とクライアントだけが納得して、リスナーの方々を素人呼ばわりするのは
言い訳による逃げだな、と最近思います。
そうならぬよう、日々ベストなパフォーマンスを発揮出来るように
したいものです。

こんなにも素晴らしい環境で仕事をさせて下さるクライアント、
事務所にありがとう。
いつも素晴らしい演奏をして下さるプレイヤーの方にありがとう。
音楽の道を教えてくれた母にありがとう。


さて、指揮の練習しないと!


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