2010年1月21日木曜日

その先に見るべきもの

JALの株。
1円で買って2円で売れれば資産が倍。
ふとしたタイミングで見たニュースから、母がコツコツ貯めていた
マイルが気になって電話をする。

マイル使って故郷の広島にでも出掛けて来たら?と話しをしたら、
人様が明日の職を失うかもしれず困っているときに、そんな事は
出来ません、と言う。

株式とか企業の体質とか国と政治の関わりとか色々ある話しではあるのだから、
それとは割り切ってサービスを受ければ良いのに、と思う反面、
母にはハッキリと、お金の先にある人との繋がりが見えているのだな、と感じて
小さな自分を恥じる。

音楽は、様々な人の力を借りて完成に至るもの。
作曲家、演奏家、エンジニア、プロデューサー、ディレクター、そしてリスナー。
誰かが欠けても良いものにならない。
誰かが手を抜いても完成には至らない。

幸運なことに、僕は周囲の人に恵まれている。
だからこそもっとこの関係を密にして、1曲1曲を大切にリスナーに届けられるよう、
頑張らないといけない。
作曲を生業にすると色々見失いがちだけど、本当のお客さんはリスナーなんです。
デスクトップ上やスタジオ内で完結してしまう音楽だけは生み出したく無い。
感動は与えるものでも、与えられるものでもないけれど、音楽を通じて
顔も知らない方々の心を動かす手伝いを出来たらそれで良い。

著作権とか印税とか、確かに作家業を続けることに必要な権利ではあるけれど、
一番欲しいのは音楽を書き続ける権利だな、と母に気付かされた、そんな日。

この母の子に産まれて良かった。
最高だぜ、かーちゃん。
立派な音楽家になったらこのblog教えてあげよう。


2010年1月20日水曜日

Logic9.1+VEP(64bit)

今日は一日譜面を書くことに追われていました。
今月〜来月末は大編成のオケモノばかりの依頼なので、考えてみたらオケ以外の
音源を鳴らすことが無さそうでして。
それならば!と思い立ち昨年秋頃から買ったまま放置されていた音源や、
アップグレード関係をまとめてインストール実施。

Logic9.164bitモードで起動して、VEPで一曲書いてみる。
音源43発+Audio1トラックを使用してCPU負荷も微々たるもの。
初代IntelのMacProでここまでのオケをストレス無くシュミレート出来る訳だから、
VEPは素晴らしい。

















先日公開されていたVEP build4834 public betaも導入してみたところ、
こちらは動作が少しおかしい。
VUしての初回起動後は普通に再生出来たのだけど、一旦別ソングデータを開いて、
再度元のソングデータを開いてみたところ、音が鳴らず。
アレ?と思ってServer側を見てみると、何故かMaster Busの値が0に。
色々いじっていると、どうやらmidiの入力を受けた瞬間、Masterが0になることが判明。
新規ソングでVEPを起動して鍵盤を叩いた瞬間にも0になっていたので間違いなさそう。
※Server側のmidi設定が原因と思われる。設定後には正常動作を確認しました(2010.1.21追記)

しかし、問題なのは再現性がないこと。
一度VEPをアンインストーラを使って削除して、現行Ver.を入れてみたところ正常。
再度VUをしてみると、これも問題なし。
別ソングファイルを開いてみると、こちらは何故か弦だけ鳴らず。
今度はMasterが0では無いのに。うーん、不思議だ。
現在のところ、Logic9.1の問題なのかVEP public betaの問題なのか切り分けつかず。
VEPを現行Ver.に戻して使用して数時間作業してみたけど、特に問題は無さそう。

と言う訳で、OS10.6+Logic9.1+VEP64bit環境で動作するようなので、
ソングデータの自動バックアップ機能を有効にしつつ、しばらく様子を見てみます。
OS10.5.8+Logic8環境も別HDDに残してあるので、何かあればそちらでやれば良し。

取り急ぎ、初日の動作チェック終わり!

2010年1月19日火曜日

作業環境・2010

現在の環境だと、大編成モノを書くと結構ギリギリなので、
楽器のカテゴリ毎にPCを割り当ててしまおう、と決断。

Logic9.1で64bit化とはなったものの、やっぱり作業を
進めるにつれてソングデータのオペレーションがもたつくのが
創作の妨げになるのが嫌で、ViennaEnsembleProとPlugin、
Audioデータだけをホスト上では動かしたい。

近い将来発表となるであろう、ViennaMIRの導入も見越して、
なるべくホストのCPU負荷とRAMの圧迫はさせたくないのです。


と言うわけで、新たに3台のViennaServer用PCを増設。
明日はサーバ用PCを販売している業者さんと構成&見積もり相談。

Intelの新型アーキテクチャは少ししか理解していないけど、
音源のサーバとしてだけの運用を考えた場合、それ程CPUの処理は
必要無いことが解ったので、メモリ速度だけを重視することに。

そもそも画面を見ないので高いGPU性能も必要ないし。
調度良いタイミングでCPUとGPUが統合されたcore-i5の660/661
を検討中。
660と661の違いはGPUのクロック差なのだけど、660の性能ですら
グラフィック描画能力に関しては十分過ぎるし、長時間の作業を
考慮すると省電力なのも見逃せない。
ここは明日相談してみようと思います。

現在関わっているプロジェクトが本格始動する前には、
何とか環境整備を構築したいところ。
今考えているイメージとしては、こんな感じ。

MacPro:Logic9、VEP、Plugin、Audio、将来的にMixでViennaMIR
PC1:Strings
PC2:Woodwinds,Harp
PC3:Brass,将来的にViennaCHOIR
PC4:Perc,Piano
PC5:NI製品、KONTAKT音源系
PC6:Spectrasonics製品、将来的にPlayエンジン(ネットワーク対応まだ?)


製作中のストレスが大幅に軽減されそうで、ちょっとスッキリ。

2010年1月17日日曜日

red dot design award 2009を受賞しました。

Playstation3本体に入っている「フォトギャラリー」が、ドイツのred dot design award 2009にて大賞を受賞致しました。
作品では、メインテーマ曲とBGM5曲を担当させて頂いております。

最初の打合せで、「インテリアの様な音楽」「変化や展開はあるけれど、それを気付かせない程度に」「海外から見た東京」といったようなオーダーがあり、今思うとこの時意見を交換し合ったことがそのまま表現されて、評価を頂いたように思います。
音楽に合わせて効果音が変ったり、映像に変化が出たり、その変化にまた触発されたり。
創作を通してのキャッチボール、とても楽しかったな〜。

メインテーマは、実は色々な要素を含めていてPS3本体に電源を入れる場合、人によって時間や季節、国が違ってくるので、朝に聴いても夜に聴いても違和感なく受け入れて頂ける様な楽曲を心掛けました。また写真が主役なので、表示される写真もまた、人によって変ってくるため、音楽での主張は最低限に留めています。美術館とか空港も、時間や季節、国を忘れてしまうような、万国共通の空間だなぁと思います。

音楽のプロデュースは「AFRICA」「バイオハザード5」「白騎士物語」その他、現在も公表できないプロジェクトをいくつかご一緒させて頂いている菊地さん。
サウンドディレクション&サウンドデザインは「ICO」「ワンダと巨像」などでサウンドデザインを担当された北原さん。
エンジニアは僕の作品を、ほぼ全部mixしてくれている井野君。最近だと「けいおん!」とか。それ以外に現在も色々と公表出来ないタイトルのmixをお願いしています。

チームワークで頂いた賞でした。
最初から着地地点が決まっていて、それが最後までブレなかったプロジェクトという印象。
これって、結構難しいことだと思うのですが、チームワークが素晴らしかった。
別のお仕事で壁に当たった時、当時の会話やメールの内容を見直すことで、未だにヒントを頂くことがあるんです。創作する為の目的というか、そんな感じのもの。
素晴らしいプロジェクトに参加することが出来て、とても嬉しく思います。

有り難う御座いました。
今年も面白いこと、沢山やりましょう!!

2010年1月16日土曜日

Keeping Score: Interviews

先週Amazonで注文していた洋書が届く。
ハリウッドの現役作家のインタビューを集めた本。
映画、TV、ゲーム音楽の作家にライトが当たっています。

若手〜現役を中心とした作家ばかりで、このコンセプトは無かった感じ。
個人的にトーマス・ニューマン、マイケル・ジアッチーノが入っていないのが非常に残念。間違いなくここ数年で輝いている作家だと思うんだけどなぁ。

今月は読む時間が取れないけれど、落ち着いたらじっくりと読みたい。

2010年1月13日水曜日

Logic9.1

本日、唐突にLogicアップデートが配信されました。
なんと!64bitネイティブ・モード対応

待ちに待ったホストシーケンスの64bit化。
打ち込みベースの音楽制作現場では、決して大袈裟な表現ではなく、
革新的な日となりました。

64bit化がもたらす最大の恩恵は、メモリの使用限界が大幅に増えること。
よく誤解されがちですが、速度アップが目論見では無いので念のため。
動作がキビキビとするのは確かなので、あながち間違いでは無いですが。


ちなみに、32bitと64bitの1アプリが扱えるメモリ上限は以下の通り。
OSやアプリケーションの制限により、あくまで理論値です。

・32bit:2の32乗は4294967296(Byte)で4096MB(4GB)
・64bit:2の64乗は18446744,073709551615(Byte)=16EB(エクサバイト)=約172億GB


現状、172億GBなんて物理的にメモリを搭載するのが不可能ですけど、
事実上音楽制作におけるメモリの上限は無くなったと言えます。

これまで一度に扱える音源やプラグインに悩まされつつ、
トラックフリーズしたりAudioに書き出したりしていましたが、
この足枷から開放されます。

いやー、素晴らしい。
今月末までの納品が終わったら少し落ち着きそうなので(?)、
来月にでもSSD導入と共に、環境整備をしてみます。

今月末には新しいMacProも出るでしょうし、調度良いかな。

2010年1月12日火曜日

今更ですが。

明けました。おめでとうございました。
気付けば年が明けて、早10日。

うーん。。。先月半ば頃から今日まで猛烈な早さでした。
その割に、誰とどんな話しをしたのか、何の曲を書いたのか、
細かく覚えている事に少し驚きます。

思えば忘年会で話した内容が、既に今年の抱負に繋がっている訳で、
昨年一年を振り返る間もなく、今年何をするか、に向いているのが
とても良いモチベーションになっていて、スタートダッシュが良い感じ。

今年はの抱負は「突破力」!!
ガンガンいきますよっ!!
ハングリー精神、全開で駆け抜けます。

昨年お世話になった方々、今年も何卒宜しくお願い致します。